チューブポンプの脈動の原因と対策

チューブポンプの脈動にお困りの方のために、その原因と対策をご紹介いたします。

そもそも脈動とは?

脈動とはその名の通り脈のような動きのことです。ポンプの世界では、送液している流体が脈のような動きをしていることを脈動と言います。

具体的に一般的なチューブポンプの脈動を見てみましょう。下記のグラフはチューブポンプの吐出側に流量計を設置し、その流量計の出力をグラフ化したものです。

グラフを見ると流量が一定ではなく、周期的に落ち込んでいるのがわかると思います。この周期的な流量の落ち込みがチューブポンプの脈動です。

チューブポンプは脈動がない?

チューブポンプは定量送液であるとよく言われているので、脈動はないのでは?と疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。結論から申し上げますと、先ほどご説明した通り、チューブポンプにも脈動は存在します。

 

では定量送液はウソなのかというと、それも間違いではありません。定量送液をうたっている場合、平均流量を前提として話をしています。平均流量を前提に考えるとチューブポンプは確かに定量送液です。先ほどのグラフも、脈動の周期に合わせて流量を平均すると、流量が一定であることはイメージできると思います。

 

正確に表現すると、チューブポンプは脈動の発生するポンプですが、平均流量で見ると定量的な送液が可能なポンプ、ということになります。紛らわしいかもしれませんが誤解しないように注意しましょう。

チューブポンプの脈動の原因

チューブポンプの脈動の原因は、ローラーがチューブから離れる時の動作に着目すると見えてきます。

ローラーが離れる直前まではチューブは押し潰されていますが、この後、徐々にチューブが開き始めます。チューブが開くと、押し潰していた分だけ、吸い込みが発生します。この吸い込みが、チューブポンプの脈動の原因です。湯船の中で両手を閉じた状態から、急に手を開いた時の水の流れをイメージするとわかりやすいと思います。手を開くと周囲のお湯が手の内に吸い込まれていきますよね。これと同じ現象です。

チューブポンプの脈動を消す方法

結論から言いますと、弊社FWを採用することが最適な方法です。

 

チューブポンプの歴史は長く、脈動を消すことは長年の課題でした。この課題を解決するため、弊社で研究を行い、実際に検証を行ったのが次の4つの方法です。 

  • ダンパーを設置する
  • ローラーの回転数を上げる
  • ローラーの数を増やす
  • FW方式

結論としては、最後のFW方式が最適なのですが、なぜそれ以外の方式ではうまくいかないのか、なぜFW方式が最適なのか、順番に見ていきましょう。

ダンパーを設置する

ダンパーを設置して脈動を軽減する方法です。どんなポンプでも使える方法で、最も一般的な方法でしょう。

ダンパーとは一般的には振動を抑える働きをするもののことです。ポンプのためのダンパーとしてはエアチャンバーやチューブダンパーなどが有名です。

この方法の良い点としては、一般的な方法で効果も認められていることでしょう。

 

しかし、この方法には欠点が2つあります。

 

1点目は、ダンパーを設置する分、流路が複雑になり準備が大変になることです。特に、流路の使い捨てを行いたい場合には、交換の手間が増えるため、作業時間や、作業ミスの頻度の増加が懸念されます。

 

2点目に、ダンパーを設置する分、デッドボリュームが増えることです。また、ダンパーの軽減効果はその容積に依存するため、十分な効果を得たい場合には、それなりの容積が必要となり、さらにデッドボリュームが大きくなってしまいます。高価な薬品などを送液する場合には向いていないでしょう。    

ローラーの回転数を上げる

ローラーの回転数を上げて、脈動を軽減させる方法です。しかし、最新技術によりこの方法は効果がないことがわかりました。

ローラーの回転数を上げていくと、脈動が軽減されていくように見える、という経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。しかし、これは測定に使っている流量計が正しく脈動を検出できておらず、脈動が軽減されたように見えているだけでした。別途弊社では、流体の動きを正しく見ることのできる流量計NTFシリーズを開発しており、この流量計を使うことでわかりました。

 

実際にNTFシリーズとそうでない流量計の出力を比較してみるとわかりやすいです。下記は、チューブポンプの吐出側に、2つの流量計を並べ、ローラーの回転数を上げた時の流量を測定したグラフです。

NTFではない流量計の出力見ると、確かに回転数を上げた後は脈動が小さく見えますが、NTFシリーズの出力を見るとまったく軽減していません。

 

つまり、この方法は脈動が軽減されているように見えるだけで、実は効果のない方法ということがわかりました。

 

なお、このNTFシリーズを試してみたい方がいらっしゃいましたら、お問い合わせください。サンプル貸出を行っております。 

ローラーの数を増やす

ローラーの数を増やすことで、脈動を軽減しようとする方法です。考え方としては、前述のローラーの回転数を上げることと同じであり、やはり効果がありません。

これは脈動の原因から考えるとわかりやすいと思います。脈動はチューブを押し潰しているローラーがチューブから離れることによって発生すると説明しました。つまり、ローラーの数を増やすということは、その分だけ脈動が発生する回数が増えるだけということです。

FW方式

FWは弊社が独自に開発したFree Wing機構を採用し、無脈動を実現したチューブポンプです。下記の一般的なチューブポンプとFWの比較画像をご覧になってください。FWだと脈動が完全に消えていることがわかると思います。

 

これは、一方のローラーによる脈動を打ち消すように、もう一方のローラーが加速動作することで実現しています。

 

考え方は非常にシンプルですが、チューブポンプの脈動の原因を根本から解決する唯一の方法です。この方式は特許出願中です。


ローラーの動きだけで脈動を消すことができるため、他の方式のように配管が複雑になったり、デッドボリュームが増えたりといったこともありません。まさに最適な解決方法といえるでしょう。

 

詳しくは下記リンクより製品詳細をご確認ください。


まとめ

本記事のポイントをまとめます。

  • チューブポンプの脈動はローラーがチューブから離れる際の吸い込みが原因です
  • ローラーの回転数を上げる方法と、ローラーの数を増やす方法は実は効果がありません
  • ダンパーの設置は軽減策としては使えますが、配管の複雑化やデッドボリュームの増加といった欠点があります
  • FW方式が脈動を消すための最適な方法です